初恋チョコレート


女の子の泣き声が聞こえた気がした。

気のせいかと思ったけど、耳をすましてみると疑問は確信に変わった。


「………だ、誰?」


幼い俺が幽霊だと怯えるのも無理はない。

近づいてみると、ちゃんと足の生えた同い年くらいの女の子だった。

俺よりも憂鬱そうで、声をかけた。


「どうして泣いてるの?」


聞いてはみたが女の子は泣いていて答えてくれない。

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