エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
ついため息をつきそうになったそのとき、「おかあさーん」と言いながら、秀一郎がやって来た。
「なあに?秀一郎」
「今、善さんと話してるんでしょ」
「・・うん」
「僕も話していい?善さんと約束したから」
「え?“約束”って・・・?」
私が知ってる限り、善と秀一郎が二人きりでしゃべったことはないはず、なんだけど。
「このまえもらったプレゼントに書いてあったよ」
「あ・・・・・・」
そうだ。
プレゼントの一つの中に、ライズのメンバー4人のサイン入りTシャツがあった。
そこに、ひとりひとりから秀一郎へ、メッセージが書かれてて・・・。
『退院したら、秀の元気な声を聞かせてほしい』
ガッシリした体躯に合った力強い筆跡で、善はそう書いていたよね。
・・・やられた。
私は今度こそハァとため息をつくと、苦笑を浮かべながら、スマホを秀一郎に渡した。
「なあに?秀一郎」
「今、善さんと話してるんでしょ」
「・・うん」
「僕も話していい?善さんと約束したから」
「え?“約束”って・・・?」
私が知ってる限り、善と秀一郎が二人きりでしゃべったことはないはず、なんだけど。
「このまえもらったプレゼントに書いてあったよ」
「あ・・・・・・」
そうだ。
プレゼントの一つの中に、ライズのメンバー4人のサイン入りTシャツがあった。
そこに、ひとりひとりから秀一郎へ、メッセージが書かれてて・・・。
『退院したら、秀の元気な声を聞かせてほしい』
ガッシリした体躯に合った力強い筆跡で、善はそう書いていたよね。
・・・やられた。
私は今度こそハァとため息をつくと、苦笑を浮かべながら、スマホを秀一郎に渡した。