エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「あ、ウケてる」
「ごめ、ん・・・・」
「別にいいよ。人生、たまには笑うことも大事だし」
「そうね・・うん」
「でも、前言ったことは本気だから」
「善・・・」
「アキちゃん。これは、アキちゃんにとっても秀にとっても、俺にとっても大事なことだから、すぐには答えを出さなくていい。でも、少しは俺と結婚することを考えてほしい」

善の切実な声の響きに、私の考えが少しだけ、揺らいだ・・気がする。

「俺の番号を拒否してほしくないし、アキちゃんたちの輪から俺を外して、“なかったこと”みたいにしてほしくもない。大体、アキちゃんが拒否ったままだったら、いつまでもそのままで、何も変わんない。俺は、秀だけじゃなくてアキちゃんのことも、もっともっと知りたいんだ。アキちゃんだって、俺のこと嫌いじゃないだろ?それだけでも俺らが復縁するきっかけにならないか?」
「正直・・・どうしたらいいのか分からない」と言った私の声は、心の揺らぎがモロに出ていたと思う。

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