エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「じゃあ僕のパパは死んだの?」
「・・・うん」

当時7歳だった秀一郎が、それで納得したのかどうかは分からない。
でもそれ以来、秀一郎は私に「パパ」のことを聞いてこなくなった。

そう。これでいい。
善と秀一郎を守るためにも、こう言ってよかったんだと思っていた。

私の・・・私と彼の息子が、病気になるまでは。

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