エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
私は、照れているのを隠すように、善にピッタリとくっついた。
けどこっちの方がもっと照れるんじゃ・・・。
と思ったときにはもう遅くて。

善は私を離そうとしない。

「善・・」
「今の俺らに必要なのは、会話と甘いスキンシップ。だろ?」
「う、ん。でも・・」
「これ以上の“スキンシップ”はしない。まだ」
「だから、なんで“まだ”の部分を強調するのよ!大体、善ってこんなに・・・エロかったっけ」

超至近距離だからか、最後の「呟き」までしっかり聞こえたようで、善はゲラゲラ笑っている。
一応真面目に呟いたんだけど・・・何かが彼の笑いのツボにハマったのかしら。

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