エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「いらっしゃいませ」
「あの・・・あのぅ。ライズのゼンさんに会わせていただきたいのですが」
「取材のお約束はされていますか?」
「それは・・・いいぇ」
「申し訳ございませんが、お約束のない方をお通しするわけにはまいりませんので」
事務所へ直接やってくるファンが時々いるだろうから(所属しているのは、ライズだけじゃないし)、私みたいな人に慣れているのか。
顔に笑顔を浮かべた美人の受付嬢は、やんわりと、でもしっかりとした口調で、断りを入れてきた。
それはそうだよね。
受付嬢の言うことは正しい。
でも・・・。
「おねがいします!とても大事なことなんです!」
「お客様・・・」
横に控え立っているガードマンが、チラッと私たちの方を見た。
「あの・・・あのぅ。ライズのゼンさんに会わせていただきたいのですが」
「取材のお約束はされていますか?」
「それは・・・いいぇ」
「申し訳ございませんが、お約束のない方をお通しするわけにはまいりませんので」
事務所へ直接やってくるファンが時々いるだろうから(所属しているのは、ライズだけじゃないし)、私みたいな人に慣れているのか。
顔に笑顔を浮かべた美人の受付嬢は、やんわりと、でもしっかりとした口調で、断りを入れてきた。
それはそうだよね。
受付嬢の言うことは正しい。
でも・・・。
「おねがいします!とても大事なことなんです!」
「お客様・・・」
横に控え立っているガードマンが、チラッと私たちの方を見た。