エチュード ～即興家族（アドリブファミリー）～

「え！だって、義虎叔父ちゃんだって“おじさん”だし・・・」
「つまり、中年のオジサンって意味の“おじさん”じゃないから」
「あーそっか。そーいうことかぁ。なーんだ」と言って笑っている善を見ていたら、何だか私まで笑いたくなってしまった。

秀一郎なんて、もうクスクス笑ってるし。

「じゃあ僕、何て呼べばいい？」
「そーだなぁ・・・名字呼びは却下だから、“善さん”とか。ま、秀だったら“善おじさん”でもいいよ」
「うん分かった。ねぇ、善さんって本名なの？」
「そーだよ。ライズのメンバーはみんな本名使ってるよ」
「じゃあアユムも？」
「おう。もしかして秀は、アユムのファンか！？」
「うーん・・・好きだよ。それより僕、ライズの歌が好きだなぁ」
「・・・そっか。ライズの曲は、俺ら４人で作ってるんだ。だから秀に好きって言ってもらえて俺・・・嬉しいな」

秀一郎を見る善のまなざしはとても優しく、カッコいい顔には感慨深い表情を浮かべている。
・・・よかったんだよね？二人を会わせても。