エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
「確かに私たちは嫌いになって別れたんじゃない。それはあなたの言うとおりよ。でもね、今の私たちに恋愛感情はないでしょう?」
「えー?そーかぁ?」
「そうよっ!少なくとも私には・・・ないわよ」
「アキちゃんが“ない”って言うまで、ちょっと時間かかった。てことはだ、“好き”って感情は互いにあるんだよ」
「な・・・なんでそんなこと、自信を持って断言できるの!?」
「分かってるから、俺」と善は言って、自分の逞しい胸をバンと叩くと、その手をまた、私の二の腕に・・・戻し置いた。
「善・・・あなたは、私のことを忘れては・・・なかったと思うけど、私と“再会”しなければ、私のことなんて思い出しもしなかったでしょう?」
「うーん・・・かもな」
「別れて11年も経って再会したのは、そうせざるを得なかったから。その点は本当に・・・申し訳ないと思ってる。でもそれは、一時的なつながりで、今後はまた、お互い今までどおり・・・」
「できねえよ」
この・・・分からず屋!
という思いをこめて、私は善をキッと睨んだ。
「えー?そーかぁ?」
「そうよっ!少なくとも私には・・・ないわよ」
「アキちゃんが“ない”って言うまで、ちょっと時間かかった。てことはだ、“好き”って感情は互いにあるんだよ」
「な・・・なんでそんなこと、自信を持って断言できるの!?」
「分かってるから、俺」と善は言って、自分の逞しい胸をバンと叩くと、その手をまた、私の二の腕に・・・戻し置いた。
「善・・・あなたは、私のことを忘れては・・・なかったと思うけど、私と“再会”しなければ、私のことなんて思い出しもしなかったでしょう?」
「うーん・・・かもな」
「別れて11年も経って再会したのは、そうせざるを得なかったから。その点は本当に・・・申し訳ないと思ってる。でもそれは、一時的なつながりで、今後はまた、お互い今までどおり・・・」
「できねえよ」
この・・・分からず屋!
という思いをこめて、私は善をキッと睨んだ。