エチュード ~即興家族(アドリブファミリー)~
というわけで、居候させてもらっている両親の家に着いた私は、気が萎える前に、善のところへ電話をかけた。
・・・出ない。
仕事中かな。
だったら留守電メッセージに残して・・・と思った矢先、「はいはいっ!」という善の低い声が、スマホの向こうから聞こえてきた。
「ごめんアキちゃん!すぐ出れなくて」
「ぁ・・・」
「どうした?」
・・・なんで善の声聞いたら、声が出ないくらいホッとしたんだろう。
なんて言えない!
いや、絶対言わないし!!
「もしもーし?アキちゃん?どうし・・・まさか、秀になんかあった・・・」
「ううんっ!いや、えっと、なんかっていうか・・・・・」
「うん」
「た・・退院、したよ。さっき。秀一郎、無事に退院したから」と言った私の目からは、涙がスーッと流れ出ていた。
そして、スマホの向こうから聞こえた、「・・・そっか。うん・・・よかった」と言う善の声も、少し涙ぐんでいるような気がする。
・・・出ない。
仕事中かな。
だったら留守電メッセージに残して・・・と思った矢先、「はいはいっ!」という善の低い声が、スマホの向こうから聞こえてきた。
「ごめんアキちゃん!すぐ出れなくて」
「ぁ・・・」
「どうした?」
・・・なんで善の声聞いたら、声が出ないくらいホッとしたんだろう。
なんて言えない!
いや、絶対言わないし!!
「もしもーし?アキちゃん?どうし・・・まさか、秀になんかあった・・・」
「ううんっ!いや、えっと、なんかっていうか・・・・・」
「うん」
「た・・退院、したよ。さっき。秀一郎、無事に退院したから」と言った私の目からは、涙がスーッと流れ出ていた。
そして、スマホの向こうから聞こえた、「・・・そっか。うん・・・よかった」と言う善の声も、少し涙ぐんでいるような気がする。