一度でいいから好きだと言って


来るはずがないのに、彼の名前を探して、そこに出席の返事がないことにがっかりする。



もう3年も経つのに・・・・・。




パーティー当日、ホテルの会場の入口で2人の女子学生と招待客の受付をする。開始時間を幾分過ぎ、ほぼ全員が揃ったようだ。

「兼崎さん、今日すっごい素敵!」

「ん?」

「兼崎さん、背も高いし胸も大きいし、美人だし、今日のその藤色のドレスもめっちゃ似合ってますよ。男子たち見蕩れてぼーっとしてたもん」

「あはは、ありがとう。それよりここはもうわたしだけで大丈夫だからあなたたちOBに顔を売ってらっしゃいよ」

早く行きたかったのだろう、ありがとうございますと返事をして急いで会場へ入って行く。

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