一度でいいから好きだと言って


「オレと2人っきりっていうシチュエーションには喜ばへんのに仕事を紹介したら嬉しそうって女子力どうよ?」

「いや、だってシチュエーションじゃご飯食べられへんし」

「男より飯?」

「男ではお腹一杯になりませんし?」

・・・・・・・・・・胸は一杯になるけどね。


何杯か飲んで、そろそろと言って帰ることを伝える。これ以上飲んで酔ってしまうと余計なことまで言ってしまいそうだから。

支払いも斯波さんがしてくれて、何だか申し訳ない気持ちになる。

エレベーターホールには誰もいなくて静かで、2人っきりが何だか気まずい。


ポーンというエレベーターの到着音がやけに響く。


乗り込んでドアが閉まると同時に肩を抱かれて引き寄せられた。


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