一度でいいから好きだと言って
愛されてるみたい・・・・・
錯覚しそうなほど陸の愛撫は丁寧で優しかった。
隣で眠る陸を起こさないようにベッドを出て、散らかった下着や服を集め身に付ける。
『来週一杯は研究室にいます。連絡は研究室にください』
メモを書いてちょうど宿泊料の半分くらいかなと見当をつけて2万円と一緒にサイドテーブルに置いておく。
なんだか身体中が痛くて、歩き方までぎごちない。
いつかは誰かと経験しないといけないことならば、陸とできて良かった。
何故か溢れる涙を拭きながら、部屋のドアを静かに閉めた。
陸から連絡が来たのはそれから3日後。
「取り敢えず履歴書だけ院長宛に送ってよ」
と病院の住所を伝える事務的な電話。