一度でいいから好きだと言って


「そんな義務感たっぷりのプロポーズ、有難がる女の子なんていません!」

陸が反論出来ずに黙り込む。

「ちはやさんも!陸さんのこと好きやからそういうことしたんでしょ!自分の気持ちはちゃんと伝えないと。言わなくてもわかるなんて幻想です!」

「はい・・・・・」


陸が大きなため息をついた。


「ちはや、ちょっと来い」
腕を引っ張られて立ち上がらされる。

「翠、悪い。ちょっとこいつと話してくるし先に始めといて」

陸に手を引かれて2階へ連れて行かれる。陸の部屋に入れられベッドへ座るように促された。

背広を脱ぎ、ソファーに放り投げネクタイを緩める。

「・・・・・子供のこと、茜が言わなかったら秘密にするつもりやった?」
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