Jealosy
パートさん、アルバイトさんが帰ってから、レジ締めをするのがユイたち社員の毎日の仕事である。


店長とユイは、隣り合いながら、
レシートの金額とレジ金を合わせ、
日報を書いていた。


お金を数えながら、


『今日1日疲れたでしょう、お疲れさま』


と店長がユイに言った。


予想外の労いの言葉にユイは驚いた。


『いえ…大丈夫です。あたしの方こそ、あまりユウコさんに指導できてなくって、申し訳ないです。
すみません』


『分かってればいいのよ』


今度は店長が強気に出てきた。


『ユイちゃん、あなたは社員で教育係なんだから、ユウコさんの悪いところは悪い、できちんと注意して、直してもらってね。
ユウコさんの出来が悪いなら、それはユイちゃんの責任よ。』


…耳が痛い。


あたしはいつもそう。


新人の女の子の悩みを聞くことはできても、店長のように 厳しく叱ることが大の苦手だ。


もしかしたら、嫌われたくないという思いが心の中にあるのかもしれない。


事実、今までは、厳しい店長と 優しいユイの二本柱がいることで、うまい具合にメンバーの調和がとれていた。


(でも、これからは、今までのままではいけない)


今日1日を通して、ユイはそう感じていた。


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