Jealosy
『ユイちゃんって言うの?可愛い名前。
これからよろしくね♪』


『あ……はい』


さっき初めて会ったばかりなのに、こんなにも高いユウコのテンションについていけず、ぎこちない敬語になってしまう…。


『それにしても、店長も
5分くらいの遅刻であんな鬼みたいな顔して怒らなくてもいいと思わない?』


『そうですね。』


反論できない…ダメなあたし。


ユイは、この仕事を始めてから今まで、一度も遅刻をしたことがない。


遅刻をしないこと、それが社会人としての最低限のマナーだと思っている。


たとえいくら仕事がデキたとしても、遅刻ばかりしていては、周りの評価が下がってしまうことは確実だし、


逆に、仕事が多少できなくとも、毎日早くから出勤してくることで、ヤル気はアピールできると思う。


でも、今のユウコにそんなこと言ったところで、何も届かないだろう。


それに、反論をしてしまうことにより、これからユウコと一緒に働きづらくなってしまうことを、
ユイは無意識のうちに一番恐れていた。


< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop