絶対に離さないヨ。僕だけのお姫様

電車が来るという合図を聞いて、
僕と彼女は黄色の線まで歩いて行った。

「こっちなんですか?」

彼女は僕に問いかけてくる。

僕はまだ気恥ずかしくて、 頭を2回程上下する事しか出来なかった。

「一緒なんですね! そういえばこの前も思ったんですが、 同じ制服ですよね?」

やっぱり彼女も僕と同じ事を思っていたんだ。

女子の制服なんて間近で見ないから良く分からなかったけれど、 ここら辺の学校で色のネクタイ、リボンは僕たちの学校ぐらいだからそうなんじゃないかと思ってた。


そこからまた沈黙が始まった。

僕はそれが慣れているから平気だ。 でも、彼女がそれを望んでいるのかと言うと。

僕は声をかけようか、 それとも声をかけてくれるまでこのまま待とうか。

あー… どうしよう。


「何年生、 ですか?」

声をかけたのは彼女の方だ。


ああ、やっぱり僕は ただのヘタレだ。
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