絶対に離さないヨ。僕だけのお姫様
「二年生です。」
僕は顔を上げずに、 黄色の線を見つめながら答えた。
下を向いていて、彼女の表情は見えなかったけれど、 足の動きですぐに分かった。
「同じです! 学年一緒ですよ!」
その甲高い声を聞いてびっくりした僕は、顔を上げるや否や記憶が薄々蘇ってきた。
名前と学級を聞いたら、彼女の事を思い出せるような気がした。
「 あの、 迷惑だと、お、思うんですが、 あの... 」
声を発しようと開けた口が渇くくらい 速いスピードの電車が前を過る。
その音の所為で、僕の声も途切れてしまった。
僕は本当に不運だ。 これは確実に認めるべき事実だなあ...