素直になれない。
プロローグ



梅雨が明けて暑くなり始め、


高校生活にも慣れてきた一年の夏。


俺はある悩みを抱えていた。


それは至って簡単なことである。






──女子のメアドを持っていない





今、そんなことって思った?



いや、これはかなり重要な問題だぞ。



中学時代は彼女とかいなかったし、


そもそも女子と仲良くしてるタイプの


男じゃないしな。


高校に入ればきっと華やかな生活が。


待っているはずだったのに…


そう現実は甘くはなかった。


俺は、女子にメアドを聞くことができない


臆病者であったのだ。



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