素直になれない。
夏休み
あれから1週間。
テストも終わり落ち着いた頃。
あとは夏休みになるのを待つだけだ。
俺は休み時間に懲りずに
机に寝て窓を眺めていた。
この瞬間が俺にとって
安らぎの時間である。
だが、そんな時間を邪魔するものが…
「まだ懲りずに覗こうとしてるの?」
声のする方を見ると半田がいた。
「覗かなねーよ。
それより何か用?」
そう尋ねると半田はなぜか
恥ずかしそうにしている。
「一応北条が教えてくれたから
それなりにできたからお礼。
ありがと。」
それを言うために来たのか。
案外かわいいところもあるんだな。
別に悪い性格ではないしな。
それでもまだ覗きの濡れ衣は
許さないから。
「それだけだから、じゃぁね。」
半田は自分の席に戻っていった。
あいつのうしろ姿に惹かれていく
自分がいる。
俺どうかしてるのかな。