素直になれない。
窓側でクラスの女子たちが騒いでいる。
まだ顔とか名前ははっきり覚えてないが
意外とかわいい子が多い。
目の保養になって素晴らしい。
おっさんになってこんなに見てたら、
俺絶対捕まってるよな。
そんなことを考えていると、
窓の桟(さん)に座っていた茶髪な女子が
こっちを睨んできた。
さらに急に女子たちが
ひっそり話はじめた。
ん?急にどうしたんだ?
何かあったのか?
そう不思議に思っていたら、
さっきの茶髪の女子が俺の前まで来た。
そして、一言。
「あんた、私のパンツ見てたでしょ。」
──え?なんだって?
見えてませんけど?
このままだと誤解を産むな。
反論しないと。
「おい、待てよ。俺は見てねーよ。
ただの勘違いだろ。」
そうだ、ただの勘違いだ。
確かに女子たちを少しは見てたけどさ。
変な目では見てないよ。信じて。
「そんな嘘ついてもわかるのよ。最低。」
そう言って軽蔑しながら、
彼女は自分の席に戻った。
さらに女子たちがみんなで
俺を冷たい目で睨んでいた。
嘘だろ。本当に見てないのに。
俺の高校三年間の終わりが見えた。