時命生て、

机の中にしまいこんだ
手紙を引き出して
帰りの電車にのって
読んだ

2年たっても変わらぬさぁちゃんの文字

手紙の上には

さぁちゃんのか私のか
わからない涙跡。

あのときは
なにも考えられなくって
水のない水槽にはいっている魚のように
私の目は死んでいた
悲しみがふかすぎて
泣きすぎて
すべての水分が抜けて
食事もとらず
ずっとずっと自分をせめていたっけ

思い出すと過呼吸に
襲われていたけど
いまは、おだやかだ

不思議だな

2年でこんなにも
記憶が薄れるなんて


でもこれが
私の崩壊のはじまりでした
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