時命生て、

教室でも絶賛ぼっち中なわけで、

『あいつ、またぼっち』

『学校来なきゃいいのにな』

『そしたら、俺らめっちゃ楽しいのにさ』

『ほんと、いい迷惑』

いたるところから聞こえてくる

嫌がらせ。

黙って聞いていられなくなって

思わず席から立ち去る。



『なぁ、お前逃げんの?』


思ってもいない声に

ビックリする。

“開いた口がふさがらない”

まさにこのことだ


『まあ俺には関係ないけど』

変な人。

微妙な距離を保ちつつ

彼は大きなあくびをし

私に近寄る。

その歩調に合わせて

私も後ずさる。



『充分がんばったよ....千田は』

そう言って彼は頭を撫でる

警戒する暇などなく

大人しく頭を撫でられる。

頭上に置かれた手から

ぬくもりが流れこみ

私を困らせた。







だって......
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