一ノ瀬さん家の家庭事情。
浅丘君があたしに一歩、近づいた。

ぐんっと近くなる距離に、ドキドキが増す。

浅丘君って、こんなに背が高かったんだ。

「…最近、一ノ瀬と話してないから、気になっちゃって…」

い、いま!なんと!?

あた、しが、気になる!?

それってそれって、どういう意味!?

「部活も来なかったし、何かあったのかなって。」

あ、そっか。

部活、誰にも休むとか言ってないもん。

それが気になったってことかな。

別にあたしのことが気になってるわけじゃないよね。

早とちりしちゃって恥ずかしい。

「委員会が長引いちゃって…久住君、探したりしてたから…」

委員会をサボろうとした久住君を何とか追いかけて、ほぼ無理やり委員会に連れて行った。

その時にはもうほぼみんな席についていて、遅刻。

目立っちゃって大変だった。

「優大か…」

そういえば、元チームメイト。

でもほのちゃんに言われた、あの言葉がひっかかっていて、聞くことはできない。

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