一ノ瀬さん家の家庭事情。
あたしと真兄は同時に間抜けな声を出した。

「なんで?あたし、部活はいるつもりないよ!」

「真、お前が放課後、愛がくれぐれも男となんてデートしないようにバスケ部で見張っといてくれ。」

「なんで俺が!つうか、愛、バスケのこと何も知らないし!」

そーだそーだ!

たまにはいいこと言うじゃん!真兄!

「聞いてくれたら、お小遣い百円アップだ。」

「よし、のろう。」

っておい!

あたしはたった百円の価値か!

「ちょっと!勝手に決めないでよ!まだあたし、バスケ部のマネージャーやるって言ってない!」

「お前に拒否権はない。よし、明日放課後迎えに行くから逃げずに待ってろよ。」

真兄は怖い笑顔であたしを見た。

その笑顔には昔から逆らえない、か弱き存在の妹。

優兄にヘルプオーラを出してみるけど、なぜか今回は納得している様子の優兄。

ああ、あたしの青春がまたもやこの兄弟たちによって壊されていくのか…
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