一ノ瀬さん家の家庭事情。
「でも逆なのかな、愛のが年下の場合が多いもんね、一ノ瀬家にお嫁に行く時はもれなく妹がついてくるね。」

「じゃあ、ほのちゃんと真兄が結婚したら、あたしほのちゃんの妹になれるの?」

そう言うと、ほのちゃんは食べようとしていたミニトマトを机に落とす。

「あ、愛!もう!そんな!気が早いって!」

あらら、乙女モードに入っちゃった。

でも、おねえちゃんにも憧れてたんだ。

本当に、りっちゃんの彼女さんに早く会いたいな。



「ねえ、まだ買うの?重いんだけど…」

真剣に値段と相談しながら食材を選ぶあたしの横で玲が
言う。

ただいまりっちゃんの誕生日パーティーの買い出し中。

「えっと、フルーツタルトのりんご、いちご、みかんの缶詰、それから…」

「もう市販の買えば?そのほうが愛も楽でしょ。」

玲はずいぶん投げやり。

「そんなこと言ったら玲の時も市販のチョコレートケーキ買ってくるよ?いいの?」
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