一ノ瀬さん家の家庭事情。
あのひなのさんの妹さんだもん。

きっとすごく可愛いんだろうな。

「綾瀬はるひ。」

あれ、玲が女の子の名前フルネームで覚えてるなんて珍しい。

中学の時のあたしの小学校からの親友、永山柚葉のことですら苗字しか覚えられなかったのに!

「仲いいの?」

「別に、席が近いだけ。」

あっ、そっか。

綾瀬と一ノ瀬だもんね。


「わあ、すっごくおいしい!」

「ほんとですか!」

あたしの料理を美味しそうに食べてくれるひなのさん。

「うん、これ全部愛ちゃんが作ったの?」

「大体は…でもみんなも手伝ってくれたんです。」

優兄はいろいろ手伝ってくれたけど、真兄と玲はすぐにつまみ食いしようとするから全然助けになってなかったけどね!

「すごいね!わたしも料理得意になりたいな。」

「今度一緒にケーキ作りますか?りっちゃんがすきな、フルーツタルト。」

あたしが言うと、ひなのさんの顔がぱあっと明るくなる。
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