一ノ瀬さん家の家庭事情。
「コピー機の使い方、わかんねえもん。」

仕方ない、あとの人も待ってるし、早めにやるしかないよね。

「浅丘君、ごめんね。あたしちょっとコピーしてくる。ほら、久住君も行くよ!」

「はあ?なんで俺も?お前一人で行けよ。」

「何言ってんの!コピー機の使い方覚えてもらうの!」

これから先もコピーの仕事くらい自分でしてもらわないと困ります!

ただでさえ、実行委員の仕事は思ったより忙しいんだから!



「…優大、あんまり一ノ瀬に負担かけんなよ。」

「は?なんだよ、てめえには関係ねえだろ。またキャプテン面かよ。」

一足先にコピー機のある職員室へ向かったあたしは、まさかこんな会話が繰り広げられていたなんてつゆ知らず。

「でね、ここのボタンを押すとコピー完了っと!ね、簡単でしょ?」

「おー…ってなんかものすごい量の紙が出てきてるけど。」

「え?あーっ!間違えた!百枚押しちゃった!ストップストップ!」

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