一ノ瀬さん家の家庭事情。
「一ノ瀬!ありがとな!次は古文、貸してくれ!」

「はい、どうぞ!勉強一緒に頑張ろうね!」



放課後、部活がはじまってマネージャーのあたしたちは体育館の外でドリンクづくり。

この作業もだいぶ慣れてきたもので、今ではどれくらいの甘さのドリンクを作れるか、わかってきたレベルにまで達してる。

「一ノ瀬!」

頭上から声をかけられ、見上げるとそこにはノートを掲げた久住君。

「古文返しに来た!明日は漢文、見せてくれ!」

「うん!ていうか、机の上に置いておいてくれればよかったのに、わざわざありがとうね。」

仲良く話すあたしたちにびっくりした様子のほのちゃん。

ドリンクを作る手も止まっちゃってる。

久住君はすぐに帰ろうとして、そして一度足を止めた。

体育館の中をボーッと見つめてる。

もしかして、気になるの?

やっぱり、バスケしたいんじゃ…

本当は辞めたくてやめたんじゃないのかな。

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