一ノ瀬さん家の家庭事情。
そして次の日も忙しく過ぎて、二泊三日の合宿はあっという間に終わった。

帰りのバス、みんなは疲れて眠っている。

あたしの横ではほのちゃんも長いまつげを伏せて、気持ちよさそうに寝てる。

あたしも寝ちゃおうかな…

そう思ってたら、かばんの中の携帯が震えた。

メールかな。

開いてみると、差出人は浅丘君。

今バスに一緒に乗ってるのに、どうしたのかな。

メールを開いて、思わず携帯を落としそうになる。

『来週の日曜、どこか行かない?』

あたしは前の方に座ってる浅丘君を見た。


これ、は、デートのお誘い!?

浅丘君はあたしを見ると恥ずかしそうに目線を逸らした。

ねえ、浅丘君。

あたし、期待しちゃっていいのかな。

眠気なんて、吹っ飛んで、あたしの頭の中は日曜日のことでいっぱいになる。

バスが学校についても鳴り止まない心臓の動悸。

「あー、疲れた。愛、帰るぞー!」
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