一ノ瀬さん家の家庭事情。
でも、部活かぁ。

そういえば、昨日、真兄に

「明日、絶対に体育館に来いよ!」

って言われたんだっけ。

はあ…今から考えるだけでも憂鬱。

「一ノ瀬?」

「…バスケ部に入ろうかなって…」

バスケなんてしたことないのに。

真兄の試合をよく見に行っていたから、ルールくらいはわかるけど。

「えっ、選手?」

「ううん、男子バスケ部のマネージャー。」

あたしがそう言うと、浅丘君は驚いたように目を大きくした。

「もしかして、バスケ部に好きな人がいるとか?」

好きな人!?

あたしはブンブン手を降って必死に否定。

だって好きどころか、大嫌いな悪魔に強制的に連れて行かれてるんだから!

「あく…いや、お兄ちゃんがバスケ部にいて…」

そう言うとあ!と大きな声を上げた。

「一ノ瀬って、もしかして一ノ瀬真先輩の妹?」

戸惑いながらも頷く。

「実は俺もバスケ部なんだ。試合の時見た真先輩のプレーに憧れてこの高校に来たんだ!」
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