一ノ瀬さん家の家庭事情。
その日の帰り道、はるひちゃんと浅丘君と別れて、玲と二人で家に帰る。

「玲、今日はありがとね。せっかくのおやすみの日なのに、あたしに付き合ってくれて。」

玲が協力してくれなかったから、きっとりっちゃんにバレて出かけることはできなかったよ。

「アイスおごってよ。」

やっぱりブレないよね。

「でも玲、彼女いたんなら言ってくれればよかったのに!はるひちゃん、すっごく可愛いし、優しくてちょっと天然て面白いよね。」

「あいつは彼女じゃない。」

へ?そうなの!?

てっきり彼女かと思ってた。

だって玲が女の子を連れてくるなんて、そんなことありえないんだもん。

「そっちこそ、あいつと付き合ってんの?」

「つ、付き合ってないよ!あたしの、一方的な片思いっていうか…」

なんであたし、こんなことを玲に話してるんだろ。

「そうなんだ、ふーん。」

ものすごく興味なさそうに聞いてくれるから、話しやすいのかな。


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