一ノ瀬さん家の家庭事情。
でもあんなに苦しそうな顔をしていたのに、急にそんなすぐできるのかな。

中学時代に何があったかもまだ聞いてない。

「いつから練習に来るの?」

「今日から行く。」

久住君、何があったのかな。


そして放課後、本当に体育館には久住君が現れた。

「今日からバスケ部に入ることになった久住優大。俺の後輩な!」

練習前のミーティング、中川先輩が明るく紹介した。

「ほのちゃん、本当に久住君、バスケ部はいるんだね。」

「ほんと、びっくり。てっきり優大はもうバスケしないと思ってたから…」

あんなに嫌がってたのに、夏休みの間に何かあったのかな。

練習が終わり、ボールを片付けながらなんとなく久住君を見てしまう。

だってクラスでも誰ともつるまない久住君。

浅丘君ともなにかあったのか、元チームメイトなのに全然話さない。

「やっぱ優大、なまってるな!動きが中学の時より鈍い!」

「うっせえ!…この俺が葉に負けるとか…!」


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