一ノ瀬さん家の家庭事情。
バンッ!

いきなりりっちゃんが持っていた箸を机にたたきつけた。

「…メ、メイド!?愛が!?」

あーあ…やっちゃった。

「絶対に許さん!愛のメイド姿なんて、他の男に見せたらダメだ!」

あたしのメイド姿なんて…

「愛のメイド姿なんて、誰も見たくないと思うよ。」

隣から聞こえてきた、あたしが思ってたことと全く同じことをいうクールな声。

たしかにあたしは今、そう言おうとしたよ。

でも、玲に言われるとなんかムカツク!

「知ってますー!だからあたしは裏方で料理するんです!」

料理だけは得意だからね。

「心配だから見に行こうかな。」

「りっちゃんってば!」

まあ、ただ純粋に母校の文化祭を楽しみに来てくれるならいいけどさ!

「そういう玲は何やるの?」

興味なさそうに黙々と箸を動かす玲。

この人、本当にクラスに馴染めてるのかな…

なんだか心配になってきた。

「お化け屋敷。俺は受付だけど。」
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