一ノ瀬さん家の家庭事情。
「だいたい昔からなんだよ、いい子ぶりやがって!」

「真だってわがままで、俺がどれだけいつも我慢して…」

ガタン!

なにか倒れたよう音がした。

これはまずくない!?

「ちょっと!二人とも!」

玲と二人で真兄たちの部屋に入る。

そこには優兄の首元に掴みかかった真兄。

「どうしたんだ!?」

りっちゃんも音を聞きつけてバタバタと部屋に入ってくる。

「あー!もう!いい!おい、愛、今日部屋変われ!」

そう言い残すと、乱暴にドアを開けてあたしたちの部屋に入っていった真兄。

「ごめん、みんな。でも何でもないから、気にしないで。」

さっきの声が嘘みたいにいつもの穏やかな優兄だ。

「愛も、女の子なのに俺と同じ部屋なんて嫌だよね。俺は今日はリビングで寝るから愛は俺の部屋を使いなよ。」

「いいよ!あたしたち兄弟だもん!優兄と同じ部屋で大丈夫だよ!」

そしていつ以来かな、優兄と同じ部屋で寝ることに。
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