一ノ瀬さん家の家庭事情。
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10月、いよいよ文化祭の初日がやってきた。

校舎の中は色とりどりの装飾品で飾られて、なんだかいつもの学校じゃないみたい。

「ええっ!あたしがメイド!?なんで!」

まだ準備中の教室であたしは大きな声を上げた。

「ごめん!愛!あたし、ミスコンで色々抜けなきゃならなくて、時間的にメイドは無理っぽいんだ!だから他のメイドの子に代役立ててって言われて…愛は裏方だったから…お願い!」

申し訳なさそうに手を合わせるほのちゃん。

たしかにミスコン出場者であるほのちゃんは色々やることがたくさんあるらしい。

でもほのちゃんからあたしのメイドなんて、格落ちしすぎでしょ!

「一ノ瀬、時間がないんだ!大丈夫、お前のサイズの衣装も用意してある!」

店長役の前川君があたしの目の前にメイドの衣装をズイと突き出してきた。

うう…

おとなしく料理に徹しようと思ってたのに…

「…わかったよ…」

開店まで時間もないので仕方なく更衣室へ。


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