一ノ瀬さん家の家庭事情。

「愛、お詫びと言っちゃ何だけど髪の毛、可愛くしてあげる！」

ついてきてくれたほのちゃんがかわいいポーチから櫛を取り出した。

いつもおしゃれでメイクやヘアアレンジも得意なほのちゃん。

その魔法みたいな手によって、いつも適当に2つに結んでるだけのあたしの髪が変わっていく。

「はい、できた！」

「わあ！かわいい！」

鏡の中に映っていたのはいつもより少しだけおしゃれに見えるあたし。

「メイド服にはやっぱり三つ編みでしょ！でもそれもこうやってアレンジすると可愛いよ！」

少し緩めに編まれた三つ編みはほんとうにおしゃれ。

「愛ー、ほの！そろそろ開店の時間だよ！」

同じクラスの友達に呼ばれてあたしは慌ててメイド服を着た。

「おお！一ノ瀬、かわいいじゃん！」

「愛、似合ってるよ！」

教室に入るとみんながそう言ってくれたけど、やっぱりかなり恥ずかしい！

「そ、そんなこと言って！もう！」