一ノ瀬さん家の家庭事情。
「ごめーん、愛、あたしなんか明日の打合せがあるみたいで、一緒にまわれなくなっちゃった!だから、聡太が一緒にまわるって!じゃあね、よろしく!」

ほのちゃんはそう言うといそいそと教室を出て行ってしまった。

残されたあたしと浅丘君。

これは、この状況は…

願ったりかなったり!?

棚から牡丹餅ってやつ?

「行こうか、一ノ瀬。」

「う、うん!」

何はともあれ、好きな人と文化祭をまわれるなんてまるで夢みたい!

「おっ、聡太!愛ちゃん!」

「葉ちゃん!」

葉ちゃんたちのクラスの前に行くと、看板を持って猫耳をつけた葉ちゃんの姿が。

「それ、どうしたの?」

「これ?なんかクラスの女子が無理やり…化け猫のコスプレだってさ。」

葉ちゃんは不満そうな顔だけど、すごく似合ってる。

「なになに、入ってくれんの?」

「うん、怖い?」

「平気平気!いざとなれば聡太が守ってくれるからね!」
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