一ノ瀬さん家の家庭事情。

葉ちゃんに言われて受付に並ぶ。

なんだか緊張してきちゃった。

あたし、あんまりホラー系得意じゃないんだよね。

葉ちゃんは平気だって言ってたけど…

「あっ、愛ちゃん！いらっしゃいませ！」

「…何でいるの？」

受付に座っていたのはニコニコ笑顔が相変わらず可愛いはるひちゃんと本当に受付担当の役職が似合わない仏頂面の玲。

「二名入りまーす！」

入り口の人が扉をあけて、あたしたちは教室の中へ。

うわ！

真っ暗で何も見えない！

これは結構怖いかも…

あ、浅丘君は…

普通に歩いてる！

怖くないのかな…

でも、たかが文化祭のお化け屋敷だし…

「ぎゃあっ！」

「一ノ瀬！？」

い、いま！

誰かに足を掴まれた！

それにしたってこんなみっともない声出しちゃった。

もっと女の子らしく、可愛く「キャッ！」とか言えないのか！

「大丈夫？」

「う、うん！」

浅丘君に迷惑はかけられないもん！