一ノ瀬さん家の家庭事情。

「うん！よろしくね、ほのちゃん！」

初めて出来た、女の子の友達。

すごくすごく嬉しい！

「浅丘君、園田君、ありがとう！」

二人のおかげだよ！

「いえいえ、じゃあ俺、そろそろ戻るな、愛ちゃん、放課後部活で待ってるな！」

園田君はそう言うと教室に帰っていった。

「愛はバスケ部だったの？」

「ううん、中学の時は美術部だったの。」

毎日みんなと部室でお茶したりして、楽しかったなぁ。

「へえ、そっか。じゃあ今日一緒に体育館に行こうよ。あたしは先週から行ってるから、ちょっとは役に立つかも。」

「うん！ありがとう！」

この時、あたしはすっかり忘れていた。

ヤツの存在を…！！


放課後、ほのちゃんと純美をして凶日を出ようとしたら、名前を呼ばれた。

「愛。」

こっ、この声は！

「逃げねえように迎えに来てやったぞ。ほら、さっさとしろ！」

教室の入り口に立っていたのは一年生の赤い上靴の中で目立つ青い上靴を履いた真兄。