一ノ瀬さん家の家庭事情。
「えっ、うそ!真先輩!」

「かっこいい!めちゃくちゃタイプなんですけど!」

そうだった、忘れてたよ。

昨日、晩ご飯の時に迎えに行くとか言ってたっけ…

「真兄、ちゃんと体育館に行くから、だから先に行ってて?」

恐る恐る、顔を覗き込みながら言ってみた。

「は?わざわざ迎えに来てやってんだ、一緒に行けばいいだろ!」

だから!

真兄と歩くとやたら目立つからやなの!

と言いたいけど、絶対にそんなこと言い返したら、キレられるかまた今日も夕飯当番させられるか…

「…わかったよ…ほのちゃん、ごめんね。」

「えっ、ううん!全然いいよ!ていうかさ!」

ほのちゃんはあたしの耳に顔を寄せた。

「実はね、あたし、中学の時から試合会場で真先輩見てて、かっこいいなーって思ってたの。愛、協力してくれない?」

協力?

それってまさか!

「ほ、ほのちゃん、真兄のこと…すっ…むぐ!」

「愛!声が大きい!」
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