一ノ瀬さん家の家庭事情。

「なになにー？愛ちゃんも優大も真面目か！数学なんてしちゃってさ！」

「だってもうすぐテストだもん。葉ちゃんだって赤点とったら試合に出れなくなっちゃうよ？」

テストが終わればすぐに秋季大会。

夏の大会では惜しくも県大会ベスト8で終わったから、みんなはその悔しさをバネに夏からずっと頑張ってきたんだ。

「ならさ、みんなで勉強会しようぜ！今度の日曜！バスケ部のみんなと！」

バスケ部のみんなとってことは、もちろん浅丘君もだよね？

「おい、葉、勝手に…」

「じゃあ、俺、ほかのやつらに声かけてくるね！優大と愛ちゃんは聡太と帆華、誘っといてね！よろしくー！」

そう言いながら手を振ると、葉ちゃんは教室を出て行ってしまった。

「どうする？」

久住君に浅丘君に声をかけるのを頼むのはなんだか気が引ける…

「あたしが声、かけとくよ！みんなで勉強会したほうがきっと良い点取れるもん！」

これはテスト勉強のため！