一ノ瀬さん家の家庭事情。

中学時代、久住君と何があったのか、好きな食べもの、好きなテレビ、好きな本…

知りたいことはたくさんある。

だって好きだから。

浅丘君のことが、大好きだから。

あたしの初めての恋。

こんな形で終わらせたくないよ。


「なんだよー、聡太来れねえの？つまんね！つうか聡太来れないのに誰に勉強教われっていうのさ！」

浅丘君が来れないことを葉ちゃんに報告すると葉ちゃんは口を尖らせて頬をふくらませた。

「ねえねえ、勉強会ってどこでするの？」

隣にいたほのちゃんが言う。

「図書館は静かにしないといけないから、うるさいうちの連中には無理だろうな。だとしたら、誰かの家？」

うーん…

あ！

いいこと思いついたかも…！



学校から帰って、夕飯の用意をしていると大学から帰ってきたりっちゃんにさっそく聞いてみる。

「ねえ、りっちゃん、今度の日曜、何してる？」

「ん？えっとたしか剣道の試合だな。」