一ノ瀬さん家の家庭事情。

大原君、グイグイいくなぁ。

玲は…うわっ！

なんか顔、こわ！

ていうか、目が大原君を完全に睨んでるよ…

怒ってるよね？

あ、もしかして…

「うるさい、ここじゃ集中できない。ほら、行くよ。」

突然ソファから立ち上がった玲ははるひちゃんの腕を引っ張った。

「えっ、あの、一ノ瀬君…！？どこ行くの？」

「俺の部屋。」

やっぱり、ヤキモチやいたんだ。

こういう時に働くんだ、双子の感ってやつ。

玲ってやっぱりはるひちゃんのこと、好きだよね。

それには葉ちゃんも感づいているみたい。

「最近レイちゃんのことが好きすぎてうまく話せないって言ってたから、綾瀬、良かったな！」

「そうなんだ！でもはるひちゃん、そんなに玲のどこがいいんだろ。」

かばんから勉強道具を取り出しながら葉ちゃんは首をふった。

「愛ちゃん、わかってないね。レイちゃんはうちのクラスの大半の女子がメロメロ、その美貌に似合わず毒舌なところに男子でさえもクラっとくるんだよ。」