一ノ瀬さん家の家庭事情。
「よーう!愛!何してんだ!勉強しに来たんだろ!」

キッチンに入ってきたのは痺れを切らした真兄。

まだ話の途中なのに…

「すみません!真先輩!」

葉ちゃんはいつもの明るい笑顔で謝ると、あたしにこっそり言った。

「続きはまた明日!」


リビングに戻るとみんなは結構集中してノートや教科書に向かっていた。

あたしも一応ワークを開くけど、頭の中ではさっきの葉ちゃんの話を考えていた。

久住君と浅丘君はすごく仲のいいコンビだったんだ。

それがなにかがきっかけで壊れてしまった。

早く続きを聞きたい…

「おい、愛!手が止まってんぞ!勉強サボってんな!」

もう!

うるさいな!

「やってますよ!ほら!」

ワークの上の問題を解き始めたはいいけど、さっそくわけわからない。

今日は浅丘君もいないし、真兄はほのちゃんに教えてて忙しそう。

葉ちゃんは…ラクガキしてるし…

「一ノ瀬、ここわかる?」
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