一ノ瀬さん家の家庭事情。
久住君があたしと同じワークを持って机においた。

その指さした問題は、ちょうどあたしが今まさに悩んでいた問題で。

「あたしも今これで悩んでたの!」

「難しいよな、でもこれ、この前習った公式使えそうじゃね?」

うーん、…たしかに。

「この公式だよね、えっと…」

この公式をこうやって変化させて、それで当てはめて…

「あっ、わかったかも!」

「マジ?すげーじゃん!」

当てはめてしまえされすればあとは簡単、結構考え方を変えればスラスラいける問題だった。

「なるほど、わかった、この問題!」

できるようになると苦手な数学も少しだけ楽しくなってきちゃう。

「じゃあこっちも応用させればいいのかな?」

それからどんどんと久住君と一緒に数学のワークを解いていった。

「あー、疲れた。愛、休憩にしろよ。」

真兄がダラーンとソファに寝転がる。

「腹減ったー、昼飯!」

相変わらずうるさいんだから。
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