一ノ瀬さん家の家庭事情。
ほのちゃんの真っ直ぐな視線に、目をそらしてしまうあたしは意志が弱い。

だって本当は、まだ諦めたくないって、浅丘君のことが好きだってわかってるから。

「愛にはあたし、頑張って欲しいんだ。だってあたしの親友なんだもん。」

ほのちゃんの言葉にうるっときちゃう。

「それから、葉から聞いたよ。中学時代のこと、少し聞いたんだってね。あとはあたしから話せって言われてるから、今日部活のあと、少しいい?」

浅丘君と久住君の中学時代のこと。

このまえ葉ちゃんと話してたらたしか真兄に邪魔されて聞けなかったんだっけ。

「うん!」


そして部活終了後、なんとかりっちゃんにオッケーをもらうとあたしとほのちゃんは駅の前のファミレスに移動した。

ドリンクバーのオレンジジュースで一息つくと、さっそくほのちゃんが話し始めた。

「葉にはどこまで聞いたんだっけ?」


「えっと、二人は仲良くて、葉ちゃんはそんなふたりに憧れてたって話かな…」
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