一ノ瀬さん家の家庭事情。
「ねえ、玲ってクラスの女の子との名前、何人覚えてるの?」

まさか、ゼロとかはないでしょうね…!


「そんなの聞いてどうすんの?」

めんどくさそうにため息をつく玲。

「いいから!教えて!」

「…俺が今思い出せるのは、二人。けどそのうち一人はフルネームが出てこない。」

て言うことは、実質一人じゃん!

どんだけ他人に興味ないのよ!

「で、その一人って誰なの?」

玲が覚えてる、たった一人の女の子。

ものすごーくきになる!

「別に、誰でもいい。」

そう言ってそっぽを向くのは、少し照れた時。

双子なんだから、これくらいわかる。

「ほんとはその子の名前もフルネームが出てこないんじゃないのー?」

少しからかい気味に言ってみる。

「玲ってもしかして、記憶力ないのー?」

すると玲はムスッとした顔であたしの顔を見た。

「…やせ…」

え?

ボソボソ言ってるから何言ってるのかわからない。

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