一ノ瀬さん家の家庭事情。
なんで玲がそんなこと言うの?

意外すぎてびっくりなんだけど!

「愛が泣いてるとこ、見たくないし。」

れ、玲…

鼻の奥がツーンとして、目からは熱いものがこみ上げてくる。

「それにまた律兄とかがうるさく言うしね…って、なんで泣いてんの?」

「れ、玲ーーー!」

あたしはたまらなくなって玲に抱きついた。

「ちょっと何なの。」

いつもはつんつんしてて、冷たくて、何考えてるのか全く理解不能な玲。

だけどやっぱりあたしのお兄ちゃんだ。

「おい!お前!俺の大切な妹に何してんだ!」

ボカっ!

突然家の中から飛び出してきた人物が玲を思いっきり殴った。

「いった…!」

「りっちゃん!玲だから!」

「へ?玲?」

もう!

りっちゃんの早とちりもいいとこだ!

「律兄…」

「ご、ごめん!玲?痛かったか…?」

あーあ、久々に玲、マジギレしちゃった。

「…」

そしてものすっごく冷たい、氷のような目でりっちゃんを一瞥すると家の中に入っていった。
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