一ノ瀬さん家の家庭事情。

秋の研修！

その存在をすっかり忘れていた！

あたしたちの学校では一年生のこの時期に秋の研修と称して近くの山まで登って野外炊事をするというよくわけのわからない年間行事がある。

そしてその研修の班が今回の席の班になるんだ！

「あたしは12番だったよ。ほのちゃんは？」

「うそ！あたし、14番！近い！」

やった！

ほのちゃんとおなじ班だ！

そして席を移動させて、あたしの表情はきっとすごく変になったと思う。

あたしの前の席に久住君。

あたしの後ろの席には樹里ちゃん。

あたしの斜め前の席にはほのちゃん。

そしてそして、あたしの隣に座っていたのは…

「一ノ瀬、よろしく。」

うっ…

何日ぶりに話すんだろう。

その声を聞くだけで、なんだか泣きそうだよ。

「浅丘君、よろしくね。」

なんだか何か起こりそうな予感の研修まであと一週間です。