一ノ瀬さん家の家庭事情。
久住君の手があたしの足に触れる。

なんだろ、すごく変な気持ち…

「なあ、一ノ瀬。」

「はっ、はい!?」

突然名前を呼ばれてびっくりしちゃう。

これじゃあ変なこと考えてるってばれちゃうよ!

あたしのバカ!

「帆華に、聞いた?中学の時のこと。」

あ…

そのことか。

「うん…」

「そうか。」

ねえ、久住君。

どうしてそんな寂しそうな顔をするの?

本当は、本当は浅丘君と、前みたいに仲良くしたいんじゃないの?

「久住君は、もう一回浅丘君と話したほうがいいんじゃないかな…」

おせっかいだとは思う。

それでも、二人の間の溝はお互いがちゃんと話し合って、気持ちを理解しないと埋められない。

「俺、もうわかってるんだ。聡太は俺を信じてくれなかったんじゃないってこと。」

久住君は続ける。

「俺のせいでバスケ部に迷惑かけたのは事実だ。聡太が俺をメンバーから外したのだって、当たり前だと思う。」
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